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勝負の明暗を分ける調整力「World Para Athletics公認 2021ジャパンパラ陸上競技大会」

2021.04.27

F63クラス走幅跳でアジア記録を更新した兎澤朋美

2021年4月24日(土)、25日(日)に、香川県の屋島レグザムフィールドで、「World Para Athletics公認 2021ジャパンパラ陸上競技大会」が開催された。各地での新型コロナウイルス感染状況悪化の影響から、急遽、大会は無観客で行われた。なお、レースの様子は、ライブ配信で全国へ映像が届けられている。パラ陸上は、今年3月に東京で「WPA公認第32回日本パラ陸上競技選手権大会」が行われている。国内で今期2つ目の公式大会となった今大会には、東京パラリンピック内定者を含め、300人近くの選手が参加した。

東京パラリンピック出場内定のT54クラス鈴木朋樹

東京パラリンピック出場が内定している鈴木朋樹は、T54クラス男子の1500mと800mに出場。終始レースを引っ張り、両種目で優勝を飾った。鈴木は、一部で開催が危ぶまれる東京パラリンピックについて、「選手は、パフォーマンスを発揮するだけ。自分はパラに関係する情報を見ないようにしている。見聞きしてしまうと気持ちが上下してしまう。大会があると想定してそこにピークを合わせていく。」と語った。

今大会には、2019年からホストタウンの前橋市(群馬県)で長期合宿を行っている、南スーダンのクティヤン・マイケル・マチーク・ティン選手も参加した。東京パラリンピック出場に照準を合わせている同選手は、伸びのある走りで、T47クラス男子100mで1位に入った。

T47クラス南スーダンのクティヤン・マイケル・マチーク・ティン選手(右)

東京パラリンピック出場のボーダーラインにいる選手たちは、限られた大会の中で結果を出す必要がある。過去、パラリンピック2大会に出場しているT64クラス高桑早生も、その中の一人だ。
高桑「今の段階では、パフォーマンス推薦※を待つような形になるので、できるだけ良い記録を残して推薦枠に入るのが私のすること。自分のできることとしっかり向き合って、そこに結果がついてくるよう準備したい。」

ロンドン、リオパラリンピック2大会に出場したT64クラス高桑早生(中央)

今大会は、9つのアジア記録と25の日本新記録が生まれた。1日目のT47クラス女子400mでは、2016年リオデジャネイロパラリンピック銅メダリストの辻沙絵が、58.45で自身の持つ日本記録を更新。2日目のF63クラス女子走幅跳には、東京パラリンピック内定を決めている兎澤朋美が登場。4m56cmを跳び、アジア記録を更新した。
新型コロナウイルスの影響により、アスリートの多くが長期的な調整を余儀なくされている。厳しい状況下でも、しっかりと結果を出す気持ちの強さと調整力が、今試されている。

ジャパンパラ競技大会陸上競技公式ホームページ

※パフォーマンス推薦
WPA (World Para Athletics)公認大会においてハイパフォーマンス標準記録を突破した選手が対象。選手枠数は2021 年 6 月に WPAより配当される予定。

T47クラス400mで日本記録を更新した辻沙絵