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障がい者スポーツを身近なスポーツへ「南あわじ市 車いすテニス体験交流会」

2021.07.27

2021年7月24日(土)、兵庫県の南あわじ市文化体育館で「車いすテニス体験交流会」が開催された。南あわじ市は、瀬戸内海にある淡路島の南端に位置している。市内では最近、卓球バレーやボッチャといった障がい者スポーツが、高齢者や子供を交えたユニバーサルスポーツとして徐々に普及しつつある。
体験会には、島内居住者を中心に子供から大人まで約20名が参加した。また、講師として兵庫県車いすテニス協会の現役の選手達が参加した。
この日、ほとんどの参加者が競技用車いすに乗ることが初めてというもあり、体験会は車いすの操作練習からスタートした。車いすテニスは、前進・後進の基本的な動きに加えて、左右の動きに素早く対応するため、ターンを多用する。操作練習の一つとして行われた”車いす鬼ごっこ”では、講師たちが鬼となり、参加者は楽しみながら車いす操作に慣れていった。
車いすテニスは、ラケットを片手に持った状態で車いすを操作する。両手での車いす操作に慣れてきたところで、次にラケットを持った状態で車いすの操作練習を行った。両手での車いす操作に比べ、なかなか思うように動くことができず、参加者はチェアワークの難しさを体感していた。
この体験会では、一般的なテニスボールに加えて、子供たち向けに軽く柔らかいスポンジボールを使用していた。また、ラケットはグリップ部分が短いジュニア用を使用している。

        参加者の稲岡正倫さん

ショット練習では、講師が正面から投げたボールをフォアハンドで返球する練習を繰り返し行い、徐々にミートができるようになると、フォアハンドからターンをしてバックハンドに移る、チェアワークを加えたショット練習を行った。講師が参加者にショットのポイントを伝えると、最初は届かなかったエリアでも、チェアワークを使ってしっかりと返球できるようになっていた。

最後に行われた質問タイムでは、参加した子供たちから「楽しかったー!」との声がたくさん上がり、会場は拍手で包まれた。
参加者の一人である稲岡正倫さんは島内在住で、過去に車いすテニス経験がある。仕事の都合でしばらく車いすテニスから遠ざかっていた。「今日のような体験会を毎年したいですね。半年に一回でもしたい。興味を持ってくれる人が増えて、障害の有無に関係なく広がっていくとうれしいです。」と、今後更なる普及に期待した。

        講師の池田拓也さん

講師として参加した池田拓也さん(所属:三菱オートリース)は、「子供たちも楽しそうで、僕自身も楽しかった。」と語った。また、池田さんと共に講師として参加した立花力さん(所属:三菱オートリース)は、自身が過去に体験会から車いすテニスを始めた一人。現在は、国際大会にも参加している。「今日は楽しかった。このような機会があれば、もっと参加者と話をしていきたい。」と体験会を振り返った。
新型コロナウイルスの影響で、昨年から国内での車いすテニス大会は軒並み中止が続いている。日々の練習成果を発揮する機会が減っている選手にとっても、今回のような体験会は、車いすテニスの楽しさを改めて感じる良い機会となったに違いない。

        講師の立花力さん