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テニスの楽しさを広げる『ニューミックス』~大阪市長杯ふれあいニューミックス車いすテニス大会~

2021.10.04

2021年10月2日(土)、「大阪市長杯ふれあいニューミックス車いすテニス大会」が大阪市の靭テニスセンターで開催された。この大会はノーマライゼーション社会の促進を目的として、20年以上前から続いている。競技性もありながら、テニス経験者であれば誰でも参加できるアットホームな雰囲気も兼ね備えた大会だ。同会場では、毎年、車いすテニスの国際大会「大阪オープン」も開催されているが、新型コロナウイルスの影響で、昨年から開催を見合わせている。その為、翌日の3日(日)には大阪オープンの代替え試合として、車いす選手のダブルス戦が行われた。
車いすテニスのニューミックスは、車いす選手と健常者パートナーがペアを組み、ダブルス戦を行う。車いす選手は、ツーバウンドまでの返球が認められる。ニューミックス大会には、車いす選手と健常者パートナー合わせて約60名が参加した。初対面のペアも複数あったが、お互いに声をかけながら試合を盛り上げていた。
健常者パートナーとして初めて参加した男性は、「やってみて楽しかったです。コートのセンターライン付近のボールは手を出した方がいいのか、出さない方がいいのか迷いました。車いす選手も意外と移動範囲が広く、もっと戦術的にいろんなことができるんじゃないかと思いながらやっていました。」と大会を振り返った。
また、車いす選手として初めて参加した池田拓也さんは、「ワンバウンドとツーバウンドでタイミングが異なるので慣れるまで判断が難しかったですが、すごくいい経験になりました。」と語った。
ニューミックスの経験がある車いす選手の立花力さんは、「ニューミックスは2回目ですが、車いす選手のダブルスとニューミックスのダブルスで動きの違いはあまりないと思います。ただ、健常者のショットは強いので、普段の動きをしながら調整をしています。」とのことだった。
ニューミックスは、障がい者と健常者との交流に止まらず、テニスの楽しみ方を広げ、経験値も高める要素があるように感じた。
翌日の10月3日(日)に行われた大阪オープン代替え試合では、日本ランキングを参考に、ランキング上位の選手と下位の選手がペアとなり、力の配分を均等にした組み合わせでダブルス戦が行われた。ほとんどの選手が、普段組むことがないペアということもあって、序盤はお互いに遠慮をする場面が見られた。しかし、試合が進むにつれ、「ナイスショット!」と積極的に声を掛け合う機会が増えていった。
3日(日)に行われた車いす選手の試合を、前日の大会に参加していた健常者パートナーが観戦に訪れていた。車いすテニスを見て、一緒にプレーをしたことで、パラスポーツをより身近なスポーツとして感じることができたのではないだろうか。

          池田 拓也 さん

車いすテニスの国際大会は、昨年から試合数が大幅に減少し、国内で開催された僅かな大会も、無観客での実施が続いている。池田さんは、久しぶりの実戦について「以前出場した大会から2年くらいが経ちます。暑さに慣れていかないといけないですね。対策はしていましたが、試合になると全然違いました。今回は、「深いロブ」を目標にしていたので、最初の試合はできていたと思います。」
立花さんは、「感覚を思い出しながらプレーしていました。練習でしてきたことがあまり出せませんでした。改善点はチェアワークです。相手の返球に対して予測して動く、しっかりボールを面に当てて打つ、サーブの安定性。課題はたくさんです。」
大会の減少は、選手のコンディション調整とモチベーションにも大きく影響をしている。
大会終了後、笑顔で会場を後にする選手が多く見られた。この大会の開催は、車いす選手と車いすテニスを支える関係者にとっても、今後に繋がる活力となったのではないだろうか。

          立花 力 さん