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アスリートたちは新たなステージへ「2021年兵庫陸上競技秋季記録会」

2021.10.12

T47辻沙絵選手

2021年10月9日(土)、10日(日)、兵庫県のユニバー記念陸上競技場で「2021年兵庫陸上競技秋季記録会」が行われ、パラ陸上のアスリート約40名が参加した。(同会場では、来年8月に「世界パラ陸上競技選手権大会」が開催される予定)

競技運営は、パラアスリートと健常の選手とを分けず、全ての選手がスタートリストに組み込まれる形で実施された。プログラムと会場の電光掲示板には、パラアスリートは各々の障害クラスが表示され、どの選手がパラアスリートであるか見分けることができた。ガイドランナーと一緒に走る場合、2レーンを使用するスターティングブロックを使わずにスタートすることができるといったパラ陸上の規定も適用されている。

本記録会には、東京パラリンピックの日本代表選手も複数出場した。リオ、東京と2大会連続でパラリンピックに出場したT47クラス(上肢障害)の辻沙絵選手は、これまで400mをメインにしていたが、この記録会にはトラックではなく、走幅跳に出場。4m97cmを跳び、日本記録を更新したものの、終了後のインタビューでは、「始めたばかりで、今日は5mいきたかったので残念です。走幅跳は興味があった種目だったので、これからトレーニングをしていけたらなと思っています。」と、新たな挑戦に意欲をみせた。

T13佐々木真菜選手

400m女子T13クラス(視覚障害)で出場した佐々木真菜選手は、東京パラリンピックでは同種目で7位入賞の成績を残している。
(400mレース後の佐々木選手)
「記録として57秒台前半や56秒台を出さないと世界へは出られないということを(東京パラリンピックで)痛感したので、今回は自分のやってきたことを意識して走りました。健常者の中で走るというのは今までほとんどなかったので、すごくいい経験になりました。まだまだ記録としては納得するものではなかったのですが、来年は神戸で世界選手権もあるので、そこに向けて頑張っていこうと思います。」
弱視の選手は、明るさが見え方に影響することがある。記録会が行われた2日間は、好天により太陽光が強く感じられた。佐々木選手は「今日は雲がほとんどなくずっと晴れの状態だったので、サングラスをかけていてもまぶしくて、我慢をしなければならないこともありました。日によって見え方が違ったりするので、自分でも工夫をして、まぶしくても感覚で走ったり、他の選手の足音を聞いたりして考えられるようになった方が、強い選手たちと競えるようになるのかなと思います。」と環境への対応について語った。

T46石田駆選手

若手として東京パラリンピックに参加したT46クラス(上肢障害)の石田駆選手は、200m 22.29のタイムで日本記録を更新。石田選手の活動の場はパラ陸上に止まらない。
(石田選手)
「次に目指す目標としては、パリパラリンピックや神戸の世界選手権。そこに向けたメダル圏、入賞に視点を置いてパラの世界は頑張っていきます。健常者の陸上大会にも関わっていこうと思っています。元々、県大会や東海大会でもやってきたので、社会人になってからも戦って、これまで叶えることができていなかった国体にも進めるように頑張っていきたいです。」
また、若手選手ではT61クラス(両下肢切断)の湯口英理菜選手が、200m 39.26のタイムで世界記録を更新。今後も活躍が期待される。

T61湯口英理菜選手

2024年パリパラリンピックまで3年。来年8月に世界選手権を控えた選手たちは、束の間のオフを経て、次の目標へと気持ちを切り替えている。先の見通しが見えにくい状況にあっても、陸上への情熱は尽きることなく燃え続けている。
今回は、競技日程の都合によりパラ種目が全て実施されたわけではないが、健常者とパラアスリートの一括開催は新鮮で、競技進行においても大きく支障はないように感じた。今後も、各地でこのような記録会、大会が開催されることを期待する。

2021年兵庫陸上競技秋季記録会パラ選手リザルト

T36松本武尊選手