TOP競技レポート記事一覧 > 競技レポート詳細

切り拓け!日本一への道「第24回日本ボッチャ選手権大会西日本ブロック予選会」

2022.06.07

BC3女子 桑野楓夏

2022年6月3日~5日、福岡市総合体育館で「第24回日本ボッチャ選手権大会西日本ブロック予選会」が行われた。今大会は、来年1月に愛知県で開催される「第24回日本ボッチャ選手権大会」の予選会で、各カテゴリーの上位選手のみが、本戦に出場することができる。競技クラスは、BC1・BC2・BC3・BC4の4つで、国際大会の形式として、男女別で行われた。BC1、BC2は脳原性疾患の選手のみが対象のクラスで、BC3は勾配具を使うことができる障害が最も重いクラスとなる。BC4は、筋ジストロフィー等、非脳原性疾患の選手が対象となる。この予選会が開催されるにあたり、全国各地でクラス分けが行われた。

一番障害が重いBC3のクラスは、自己投球ができないため、アシスタントのサポートで、ランプと呼ばれる勾配具が使用できる。BC3女子のクラスは6名の選手がエントリー。3名一組のリーグ戦で、2つあるリーグの上位2名ずつが本戦に出場することができる。
今大会の開催地、福岡県で活動する桑野楓夏もこのクラスの一人。桑野は初戦で岩切貴代美と対戦した。桑野は、初戦の緊張からか、第1エンドを0-1で落としてしまう。第2エンドに入り、桑野はジャックボールに接する岩切のボールを、ランプを高くしてスピードをつけ弾こうとする。しかし、ジャックにぴったりと接している岩切のボールがなかなか離れず、桑野の投球が続く。4投目で相手ボールを弾くと、今度はランプを低くして優しくボールを落とし、自分のボールをジャックへと近づけた。桑野の連投の間に、ジャックは桑野のボールに囲まれ、岩切のボールが入る隙間はなくなっていた。桑野が第2エンドを2-0で取り、トータルスコア2-1の僅差で第3エンドに入った。ボッチャの試合では、競技中に4分~7分間の持ち時間がある。BC3シングルスの持ち時間は6分間で、この時間を使って作戦を考え、ランプの操作をしなければならない。タイムオーバーになるとボールが余っていても投げることができなくなる。短時間での判断力と決断力が必要で、BC3はアシスタントとのスムーズなコミュニケーションも必要となる。

第3エンドも接戦が続く。桑野がジャックに近づけると岩切が弾き、岩切がジャックに近づけると桑野が弾くという流れが続いた。桑野は、5投目終了後にタイムオーバーとなり6投目を投げることができなかった。第3エンドは計測となり、僅差で岩切が2点を勝ち取った。トータルスコア2-3と1点ビハインドとなった桑野は、最終エンドで2点以上差をつけて勝つ必要がある。最終4エンドで、桑野は3投目をジャックにぴったりとつける。しかし、岩切も桑野に負けず好投を続け、両者譲らないまま最終エンドも計測となった。計測の結果、最終エンドは1-1となり、トータルスコア3-4で桑野は惜しくも敗れた。悔しい敗戦となった桑野であったが、2試合目には気持ちを切り替え9-1で勝利し、グループリーグ2位で来年1月に愛知県で開催される本戦への出場権を獲得した。

〇試合後、桑野楓夏のコメント
「今回はBC3として初めて出場した大会だったので少し緊張しました。その為、2度ペナルティを取られてしまいましたが、1勝1敗でリーグ2位となり、本大会に出場できることとなりました。本大会では、今回の反省を活かして、楽しく試合ができるよう努力していきます。」
東日本ブロック予選会は、2022年6月17日~19日に、福島県の福島市国体記念総合体育館で開催される。強者達が集う本戦が今から楽しみである。

■第24回日本ボッチャ選手権大会
開催日 2023年1月20日~22日 スカイホール豊田(愛知県)
予選会 ・西日本ブロック予選会 
    2022年6月3日~5日 福岡市総合体育館(福岡県)
    ・東日本ブロック予選会
    2022年6月17日~19日 福島市国体記念総合体育館(福島県)