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「静寂の中で燃える炎」2015日本ゴールボール選手権大会

2015.11.24

2015年11月21日(土)~22日(日)の2日間、東京都青梅市にある青梅市総合体育館で「2015日本ゴールボール選手権大会」が開催された。

ゴールボールは視覚障がい者のスポーツで、パラリンピックの正式競技だ。コートはバレーボールと同じサイズで、コートの両端に幅9m、高さ1.3mの横長のゴールが向かい合って設置されている。
1チーム3人ずつのプレーヤーが鈴入りのボールをゴールに向かって投げ合い、攻撃と守備を繰り返しながら、時間内に獲得した得点を競う。
2012年ロンドンパラリンピックでは女子日本代表チームが金メダルを獲得している。2016年リオデジャネイロパラリンピックの出場権も獲得しており、日本チームは国内外で活躍している。
○用具・コート
選手は全員黒く塗られたアイシェードをつけてプレーを行う。アイシェードの下にはアイパッチをつけて、全く見えない状態でプレーをしなければならない。
ボールはバスケットボールとほぼ同じ大きさで、重さは1.25kgと少し重いものを使用する。
コートのラインの下にはたこひもが通されており、プレーヤーがラインを手で触ることでコートのイメージがつきやすくなっている。
今大会では視覚障がいの方でも試合の状況がわかるように、コートの横に骨伝導イヤホンの音声席が設けられていた。
○大会
大会には地域予選を勝ち抜いた男子8チームと女子4チームが参加した。
予選は、男子は4チームずつの2プールに分け総当たり戦を行い、女子は4チームによる総当たり戦を行った。男女共に予選の順位により順位決定戦に振り分けられる。

攻撃のスローイングはアンダースローで行う。守備側はサッカーのゴールキーパーのように体を横に倒してゴールを守るため、横幅9mの広いゴールであっても、単純にスローしているだけではなかなか得点を奪うことは出来ない。そのため、スロアーは相手をかく乱させるため、投球のポジションや角度、タイミング、バウンドなどを微妙に変化させてボールを投げる。また、スロアーがボールを投げる直前まで、コート内の味方プレーヤーは床を叩いたり手拍子をして、相手が混乱しやすい音の要素を加える。
ゲーム中の会場は静寂が保たれ、選手たちの集中力は高まる。リードをしているチームからは声の大きさや選手のプレーから勢いを感じることができる。反対に、追いかけるチームからは、負けまいとする思いを感じることができた。静寂の中でも両チーム気持ちは熱く燃えているのだ。

ゴールボールは、晴眼者もアイシェードをつければ同じ条件でプレーをすることができる。
ゴールボールの世界観を実際にプレーして感じることで、新たなスポーツの面白さに気付くかもしれない。

■大会結果
○男子の部
第一位 team附属A
第二位 IBK
第三位 岐阜YMS2

○女子の部
第一位 チーム附属
第二位 九州なでしこ
第三位 Merveilles

日本ゴールボール協会