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「誰もが共に楽しめるスポーツへ」第17回のじぎく杯シッティングバレーボール大会

2016.03.06

2016年2月20日、21日に兵庫県立障害者スポーツ交流館で「第17回のじぎく杯シッティングバレーボール大会」が開催された。
全国から男子10チーム、女子17チーム、選手スタッフ合わせて約200名が大会に参加した。
シッティングバレーボールはパラリンピックの正式競技で、その名の通り座った状態でバレーボールを行う。通常のバレーボールとルールはあまり変わりないが、「スパイクやブロックでは臀部をコートから浮かしてプレーしてはならない」などシッティングバレーボール特有のルールが定められている。
パラリンピックでは下肢切断、人工関節、機能障害など必ず下肢に障がいのある選手が対象になるが、この大会では障がいの種類は問わず、健常者も出場することができる。
下肢障がいでもその種類は様々で、切断一つにとっても、下肢切断(膝関節から下)、大腿切断(太もも部分の切断)、股関節離断など選手個々で状態異なる。
座った状態でのプレーは必然的に動きにくくなる。しかし、選手たちは機能している足、手、体を最大限に使ってコート内をスムーズに移動する。コートを移動するスピードもさながら、レシーブをしてから起き上がるまでの一連の動作を行うバランス感覚が素晴らしい。障がいによりどうしても苦手なエリアがある場合は、他の選手がカバーをしている。
シッティングバレーボールではサーブをブロックすることもできるので、サーバーはブロックにひっかからないようサーブをする。ブロックにかかることなくコースをついていくサーブの技術は、一つの「技」とも言える。
シッティングバレーボールの会場はいつも活気に溢れている。バレーボール特有の選手たちの大きな声や応援が会場を包んでいる。ある程度年齢を重ねてもプレーできることもあって、参加者の年齢層は幅広く、親子で参加している例もある。
障がいの有無や種類に関係なく行うことができ、競技スポーツと生涯スポーツ両方で楽しむことができるシッティングバレーボールは、障がい者スポーツの枠組みを越えた一つのスポーツとして確立されつつあるのではないだろうか。

シッティングバレーボール男女日本代表は、今月中国安吉で開催されるリオデジャネイロパラリンピックの最終予選に臨む。体格で日本を大きく上回るイランや選手層の厚い中国など競合国との戦いが待っている。2020年東京パラリンピックへの弾みをつけるためにも、リオデジャネイロパラリンピックの切符をぜひとも掴み取ってほしい。