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「まっすぐな気持ち」ウィルチェアラグビー 各務珠実選手インタビュー

2015.05.07

ウィルチェアラグビーは、四肢麻痺の方を対象とした車いすスポーツで、「ラグビー」という名のとおり、車いす同士が激しくぶつかり合うボディコンタクトがあるのが特徴だ。2000年のシドニーパラリンピックから正式種目として採用されている。
障害の程度に応じた選手それぞれの持ち点の合計が8点を超えないようにチームを構成しなければならない。男女を分けず行われており、現在国内では3名の女子選手が活躍している。
女子選手の一人である各務珠実さんはウィルチェアラグビーを始めて5年。彼女は現在、日本国内の強化指定選手を目指しトレーニングに励んでいる。

---------各務選手インタビュー------------
○転機
ラグビーを始めた当初は楽しみながらプレーしていた。転機は2012年、ロンドンパラリンピックの中継を自宅でテレビ観戦している時、いつも一緒に練習している仲間が負けて涙を流している姿を見た。「私なにしてんだ?こんなことしてちゃだめだ。もっと練習しなきゃ。」その後彼女は真剣にラグビーに打ち込むようになった。

○ラグビーの面白さ
「一番は見た目の迫力と衝撃。ボールを持っている選手が主役かもしれないけど、全員に役割があって、ボールを持っていないところでのかけひきやポジショニングが最終的にはゴールに繋がるので、そこにも注目をしてほしいと思います。」
ラグビーの激しさは車いす同士の接触だけではなく、選手の心にも存在する。選手には接触をもろともしない負けん気の強さが必要となる。会場では「音」だけなく、選手の気迫や表情を体感することもできる。
選手は全員車いすに乗車しているが障がい程度は人それぞれ。その分様々なプレースタイルが存在する。例えば、パスの手法一つにしても、胸から突き出すチェストパスや片手でボールを放り投げる選手もいれば、ボールが握れないことによりバレーボールのサーブのように手で打って味方に繋ぐ選手もいる。
マシンは手作り感のあるごつごつとした作りで、一見重量感があるように見えるが、実は軽量化されている。車いすバスケットボール等と同様に一人ひとりに合ったオリジナルのマシンである。

○女性アスリートへ
「ラグビーは障害別に点数がつけられます。重度障がいだから女性が男性に混ざって一緒にプレーをすることができます。女子だからって引け目を感じることはありません。
私も最初練習に行くときは迷いました。でも行ってみたら意外とできました。」
「怪我をしてなかったり、ラグビーをしてなかったら知り合ってない仲間がたくさんいます。男女関係なく私が前に出ることがきっかけでラグビーを始める選手が増えるなら、私はどんどん前に出ていきます。」

ラグビーに本気で打ち込む彼女は話をしていてとても気持ちが良い。自分と戦いながら前だけを見て進んでいく彼女は純粋に応援したくなるとても魅力のある選手であった。
ラグビーの面白さをたくさんの人が知るきっかけを今後も作っていってほしい。


○大会情報
2015ジャパンパラウィルチェアラグビー競技大会
開催日 2015/5/22(金)~24(日)
会 場 千葉ポートアリーナ
http://japanpara.com/