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スポーツが変えた人生観~第18回西日本シッティングバレーボール選手権大会~

2017.07.13

シッティングバレーボールは、2020東京パラリンピックの正式種目である。このスポーツはその名の通り、床にお尻をつけ、座った状態(シッティング)でプレーを行う。健常者も障がい者も1つのコートで一緒にプレーできるということが、このスポーツの魅力の1つだ。

記者はシッティングバレーを観戦するのは今回が初めてだった。最初は、座って行うため、ゆっくりとしたスポーツであると思っていた。しかし、記者の視界に飛び込んできたのは、思いもしなかった光景だった。選手達は座った状態で移動するのだが、まるで氷の上を滑っているかのように俊敏に動いていた。
そればかりでなく、そこから放たれるサーブやブロック、アタックも会場内に音が鳴り響くほど強烈だった。想像もしていなかった躍動感溢れる光景に、非常に驚かされたと同時に、「人間の無限の可能性」というものを実感した。シッティングバレーは、座ってプレーする点以外、私たちが日頃よく目にするバレーと全く変わらない。バレー好きな人なら見ていて非常に面白いのではないかと思う。

今回記者は、大会に出場していた大阪アタッカーズに所属する、飯倉善博選手にお話を聞くことができた。
飯倉選手は元々アンプティサッカーのチームに所属しており、チームメイトから誘われたことがきっかけで、シッティングバレーを始めた。アンプティサッカーを始めるまでは、義足であるということに後ろめたさがあり、外出する際はいつも長ズボンを履いていたと言う。しかし、自分と同じ義足のチームメイトを見て、義足を隠す必要はないと感じ、今では半ズボンでも外出するようになったそうだ。
飯倉選手のように、スポーツを通じて自分と同じような境遇の人と繋がりを持ち、人生が大きく変わることもある。それまで持っていた価値観とはまた違った価値観に触れる機会がスポーツにはある。こういった点も、障がい者スポーツの魅力であると記者は考える。この機会に障がい者スポーツを始めてみる・見てみるのはいかがだろうか。
(Text & photo by 10万人に一人の病気とボク)