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熱戦再開!!「パラ・パワーリフティング第3回チャレンジカップ京都」

2020.09.07

88kg級1位、男子ベストリフターにも選ばれた大堂選手

2020年10月3日(土)、4日(日)、京都府のサンアビリティー城陽で「第3回チャレンジカップ京都」が開催された。この大会は、新型コロナウイルス対策のため無観客で行われ、競技の様子はユーチューブでライブ配信された。
大会2日目午後は男子重量級の競技が行われ、88kg級には大堂秀樹選手が出場。大堂選手はこの階級の日本記録保持者で、2018アジアパラ競技大会で銅メダルを獲得している。けがの影響から本調子ではないももの、第三試技で185kgを挙げ、88kg級1位となった。
大堂選手は試合後のインタビューで、「2月の大会で大胸筋を痛め、今は回復途中。ピーキングなしに迎えた大会で 185Kg を出せたので上々。今がスタート地点、1 月の全日本に向けて調整している。今日の結果には満足している。」と語った。パラリンピック出場のためには、世界ランキング8位以内に入ることが目安となる。ランキング入りを目指す大堂選手は、「今の感じだといけると感じている。バイパルタイト※は基本的に考えていない。もらえたらラッキーというものだが、選手としては実力で行きたい。ランキング入りして選ばれたい。」と今後への意欲を示した。

        集中力を高める大堂選手

97kg級に出場した馬島誠選手は、アイススレッジホッケーで冬季パラリンピックに出場した経験を持ち、夏季冬季両方でのパラリンピック出場を目指している。パラ・パワーリフティングでは、パラリンピック出場の条件の一つとして、参加標準記録(MQS)が各階級で設定をされている。馬島選手の97kg級の標準記録は165kg。馬島選手が持つ日本記録は160kgと、あと少しで記録に手が届く位置まで迫っている。
第一試技の157kgが判定で失敗となったが、第二試技は同重量で成功。最終の第三試技は標準記録の165kgに果敢に挑戦をするが、惜しくも失敗に終わった。
馬島選手は試合後のインタビューで「165kgを挙げたかったのですが、第一試技をしくじってしまい、自分が思い描いたのと違ったので残念に思っています。」と語った。またパラリンピックまでの約一年間については「1キロでも多く挙がるようにきちんとトレーニングをしたいです。目標は165kgを上げることです。練習の中では165kgは上がっているので早く目をつむってでも上げられるくらい精度を上げて、もっともっと世界に通用するような選手になりたいと思っています。」とコメントをしている。

          97kg級馬島選手

今大会は女子79kg級で坂本智香選手が参加標準記録を突破するなど、5階級で新たな日本記録が誕生した。
パラ・パワーリフティングは2021年1月30日(土)~31日(日)、東京の千代田区立スポーツセンターで「第21回全日本パラ・パワーリフティング選手権大会」が開催される予定だ。

※バイパルタイト・・・ランキングでの直接選出枠から外れている選手を対象に、与えられる推薦枠
■大会結果 ※各階級1位のみ
〇女子
41kg級 山本小百合 45kg
45kg級 成尾美和 59kg ※女子ベストリフター
55kg級 中村 光 57kg
61kg級 龍川崇子 67kg ※日本新記録
67kg級 水江加奈子 60kg
79kg級 坂元智香 77kg ※日本新記録、2020東京パラMQS突破
ジュニア55kg級 見崎真未 45kg
〇男子
49kg級 西崎哲男 136kg ※日本新記録
54kg級 加藤尊士 126kg
59kg級 光瀬智洋 135kg
65kg級 奥山一輝 151kg ※日本新記録
72kg級 城 隆志 137kg
88kg級 大堂秀樹 185kg ※男子ベストリフター
97kg級 馬島 誠 157kg
107kg級 中辻克仁 193kg
107kg超級 松崎泰治 158kg ※日本新記録

大会公式HP

107kg超級で158kgを挙げ日本新記録を更新した松崎選手