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サッカーが繋ぐ仲間と夢「第20回CPサッカー全日本選手権大会」

2022.11.12

2022年11月5日~6日に、岐阜県の長良川球技メドウで、「第20回CPサッカー全日本選手権大会」が開催された。新型コロナウイルスの影響により、3年ぶりの開催となった今大会を待ち望んでいた選手たちも多く、会場は、再会を喜ぶ声で盛り上がっていた。
参加チームは、オープン参加2チームを含む全8チームが参加した。CPサッカーは、今年男女共に2つの国際大会に参加し、両大会で銅メダルを獲得している。


優勝候補筆頭は、戦力で他チームを上回る『エスペランサ2022』。チームの母体である”エスペランサ”からは、今大会『エスペランサ2022』と『エスペランサ』の2チームが参加しており、前者は、男女の日本代表選手を中心に構成されている。エスペランサ2022の中心選手である浦辰大は、十代から日本代表として活躍している。予選の大坂PAZ戦では、中央のポジションで全体のバランスを取りながら幅広くプレーに参加。攻撃では、チャンスと見るとドリブルで駆け上がりペナルティエリア付近からミドルシュートを叩き込み、チームを勢いづけた。エスペランサ2022は、今年から新たな戦力として日本代表の三浦良介が加入。攻撃では浦、DFラインでは三浦がチームを支え、エスペランサ2022は予選を全勝で勝ち上がると、決勝戦も4-0でエスペランサに勝利し、優勝を果たした。
浦は今大会の参加にあたり「世界大会で銅メダルを獲得した上での日本選手権で、チームとしても個人としても結果を求められる。一生懸命なプレーは当たり前で、結果を求めていく姿を見てもらいたい。」と語り、日本代表選手としての意識の高さを感じさせた。

    大会MVPのエスペランサ2022 浦辰大

今大会で3位となったCP神戸(兵庫県)で、背番号10をつける若手選手に注目した。CP神戸10番・野呂晃生は高校3年生で、今年からCPサッカーを始めた。全日本選手権も今回が初出場となる。元々サッカー経験者である野呂は、高校入学後、麻痺による運動能力の差から、サッカーから離れる期間があった。
Q.CPサッカーを始めたきっかけ
野呂「体を動かしたくて、CPサッカーを知って問い合わせをしました。」
Q.実際にCPサッカーをやってみて
野呂「サッカーが楽しいです。オフサイドがないとか普通のサッカーと違って深い。そういうのも含めて楽しいです。」
Q.どんな選手になりたいか
野呂「いつか日本代表になって10番を背負える、こいつがいたら勝てるという選手になりたいです。FC CASAの久保善暉選手を目標としています。」

野呂は、全試合に出場し、走力、技術力でチームに貢献。チーム最年少ながら中心選手としてそのポテンシャルを見せつけた。

         CP神戸 野呂晃生

今大会には、今年発足したばかりの新しいチームが参加した。栃木県小山市が活動拠点の『FC CASA FORUTUNA OYAMA』(以下、CASA)だ。まだ選手数が充足していない状態ではあるが、久保善暉選手等、日本代表経験者も所属している。今大会は初参加ということもあり、初戦から苦しい試合が続いた。CASAは、母体となるクラブチームの中に、CPサッカーのカテゴリーを設けている。久保はチームについて、「CASAは、トップ(社会人)とジュニアのカテゴリーもあって、グランドは人工芝で環境がいい。今大会も移動や捕食でサポートしていただいた。トップチームの監督も見てくれるし、人が増えればレベルアップする。」と語る。久保は、予選のCP神戸戦で、全日本選手権でのチーム初得点を決めた。

         FC CASA 久保善暉

大会には、女子選手も複数参加している。男子選手に比べるとまだまだ競技人口は少ないが、サッカーへの情熱は変わりない。
3年ぶりの全日本選手権開催で、今後が期待される若手選手を多く見ることができた。
日本代表で今大会MVPとなった浦辰大は、「10代後半から20代前半の選手が増えてきている。日本代表を目指したいという熱い気持ちを持った選手が多いので、自分自身もやりがいを感じるし、頑張りたいと思っている。」と、若手選手の活躍に刺激を受けていた。来年は、オーストラリアで、アジア・オセアニア地域の大会が開催される予定で、日本代表に新しい顔ぶれが並ぶことが期待される。

■大会結果
優 勝 エスペランサ2022(川崎市)
準優勝 エスペランサ(川崎市)
第3位 CP神戸(兵庫県)

大会公式ホームページ(日本CPサッカー協会)

        横浜BAY.FC 大野僚久