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「第16回全日本テコンドー選手権大会」パラ・キョルギ-58kg級 田中光哉が熱戦を制し優勝

2022.12.30

男子-58kgを制した田中光哉

2022年12月25日、阪府の大浜だいしんアリーナで「第16回全日本テコンドー選手権大会」が開催された。この大会では、キョルギ(組手)とパラ・キョルギの2種目が行われた。
パラテコンドーは、2020年東京パラリンピックから正式競技として採用された。パラリンピックでは、『キョルギ』と呼ばれる組手が実施され、上肢障害の選手が出場する。パラテコンドーの階級は、体重別に加え障害の程度に応じてクラス分けがされる。競技は、ワールドテコンドーの規則に準じて行われるが、障害に合わせて、ルールが一部変更となっている。パラテコンドーは、上肢障害の選手が出場するため、有効となるのは蹴り技のみで、突き技は無効となる。また、頭部への攻撃は禁止されている。

この大会ではクラス分けはなく、体重の階級別で競技が行われた。試合は、5分×1ラウンド制で、技が決まる毎に得点が加算され、最終的に得点が多い方が勝者となる。パラ・キョルギには、男女合わせて15名の選手が出場。今大会が、2023 年度強化指定選手、次世代育成選手選考大会ということもあり、国際大会経験者の揃う男子は、熱戦となることが予想された。

男子-58kg級は、2022年強化指定選手の田中光哉と阿渡健太が決勝戦で対戦。両者は、昨年の同大会でも決勝戦で対戦しており、昨年は阿渡が勝利している。田中は、今年5月にUAE、8月にベトナムで行われた国際大会で優勝しており、国際大会で経験を積みながら強化をしてきた。
決勝戦の開始序盤は、両者共にフットワークを使い、コートを動きながら相手の様子を伺う展開。田中は動きにキレがあり、徐々に田中の技が決まり始める。残り時間3分で田中の得点が12点、阿渡3点と、田中が点差をつけた。後半に入っても田中が試合を優位に進め、連続の蹴り技で阿渡を追い込んでいく。阿渡も反撃を見せるが、田中のガードが固く、なかなか蹴りが決まらない。15-5と田中リードのまま残り1分となる。ここから阿渡が猛攻を仕掛けるが、田中も最後まで手を休めることなく攻撃を続け、28-13で田中が勝利した。
優勝した田中は、「去年の大会で負けてしまいリベンジしたいと思っていたので、今回優勝できて良かったです。来年は、パリパラリンピックに向けて勝負の年になるので、2023年は世界の舞台でも勝てるように頑張っていきたいと思います。」と、優勝の喜びと来年の抱負を語った。

      男子-58kg級準優勝 阿渡 健太

男子-63kg級は、トーナメント1回戦から出場した福冨伸彦が、昨年の優勝者と準優勝者を破って優勝。福冨は、ガードを効果的に使い、相手との間合いを上手く取りながら得点を重ねていった。福冨は試合後のインタビューで、「このチャンス、機会を与えていただいてありがとうございます。来年は国際大会にも出場し、結果を出していきたいと思います。」と、コメントした。

男子-70kgには、東京パラリンピック日本代表の工藤俊介が出場。決勝戦では余裕をもった試合運びで、昨年に続き優勝した。工藤はインタビューで、「来年は、広州のアジアパラ大会が控えています。グランプリシリーズにも出場して金メダルを獲得し、もっともっと日本のパラテコンドーを盛り上げたいと思います。」と、来年行われる国際大会への意欲を示した。

      男子-63kg級優勝 福冨 伸彦

■パラ・キョルギ結果
〇男子
-58kg級
優 勝 田中 光哉
準優勝 阿渡 健太
-63kg級
優 勝 福冨 伸彦
準優勝 古川 心
-70kg級
優 勝 工藤 俊介
準優勝 桂 拓也
-80kg級
優 勝 吉冨 稔夫
+80kg級
優 勝 伊藤 力
〇女子
-52kg級 
優 勝 大津 恵美子

      男子-70kg級優勝 工藤 俊介

      男子-58kg級第3位 市川 青空