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国内競争激化、勝負は世界レベルへ「TOYOTA presents 第24回⽇本ボッチャ選⼿権⼤会」

2023.01.25

BC3男子 優 勝  高橋 和樹

2023年1月21日~22日、愛知県のスカイホール豊田で「TOYOTA presents第24回⽇本ボッチャ選⼿権⼤会」が開催された。
この大会は、各地で行われた予選会で上位進出の選手と、前大会の成績上位の選手のみが出場できる大会で、東京パラリンピック出場選手、次のパリパラリンピック出場を狙う選手が多数出場した。

BC2男子の注目選手は、東京パラリンピックメダリストの廣瀬隆喜と杉村英孝。廣瀬は、予選全勝で決勝トーナメントに進むと、佐藤駿との準決勝を7-0で勝利し、決勝へとコマを進めた。杉村英孝は、予選3戦全てで2桁得点を奪い、圧倒的勝利で予選突破。吉見成生との準決勝を6-3で勝ち進み、廣瀬との決勝戦を迎えた。廣瀬は第1エンドで杉村に1点を奪われるが、焦ることなく第2エンドを優位に進めて3点を奪取。廣瀬はその後も冷静に試合を進め、合計得点4-2で廣瀬が杉村を破り、大会3連覇を果たした。

     BC2男子 大会3連覇の廣瀬 隆喜

BC4男子の注目選手内田峻介は、昨年12月にブラジルで開催された世界選手権で日本人選手として初めて金メダルを獲得。今最も期待される若手選手だ。予選を2勝1敗で勝ち上がると、準決勝では東京パラリンピック出場の江崎駿との対戦となった。江崎も注目の若手選手の一人で、両者は、昨年の日本選手権決勝戦でも対戦しており、事実上の決勝戦とも言える勝負となった。力の内田に対し、江崎は頭脳派。第1エンド、第2エンドは、内田がスピードボールを効果的に使い、有利な状況を作って得点を積み重ね5-0と江崎をリード。第3エンドは、江崎が1点をもぎ取り、合計得点5-1で最終の第4エンドに入る。江崎は、逆転をするためには4点以上取るしかない厳しい状況。第4エンドは、内田のミスもあり江崎優位に試合は進んだが、内田が守備的戦術でジャックボールをマイボールでガード。江崎は得点を積み上げることができず、江崎2得点で第4エンドが終了。合計得点5-3で内田が勝利した。内田は、決勝戦で藤井金太朗を8-1で破り、大会2連覇を果たした。

BC1男子は、中村拓海が予選2試合を2桁得点で相手を圧倒し、決勝トーナメントに進むと、準決勝を8-0、決勝戦も7-0で相手を寄せ付けず、完勝で優勝した。

BC3男子は、東京パラリンピックペア銀メダリストの高橋和樹が、決勝戦で前回王者の有田正行を3-1で破り優勝。前大会3位の雪辱を果たした。有田は国際大会で経験を積みながら強化をしており、悔しい準優勝となった。

女子は、BC1で遠藤裕美が東京パラリンピックメダリストの藤井友里子を決勝戦で破って優勝。BC3でも同大会メダリストの田中恵子が準決勝敗退と、国際大会経験者を破る選手が出てきている。
パラリンピック経験者であってもこの大会で優勝することは難しく、男子、女子共に国内競争が激化している。

       BC4男子 優勝 内田 峻介

大会の様子は、日本ボッチャ協会公式ユーチューブチャンネルでライブ配信された。試合の解説では、選手の特徴、戦術、ボッチャの豆知識等が語られ、とてもわかりやすい内容となっていた。また、会場では、「ボッチャフェスin豊田」も行われ、手作りボッチャ体験、ロボットとボッチャを組み合わせた『ロボッチャ』体験等、観戦に訪れた人が、ボッチャを、「見て・感じて」楽しむことができるイベントが実施された。
ボッチャは、2022年に栃木県で開催された「全国障害者スポーツ大会」から正式競技となり、今後更に普及をしていくことが予想される。

         BC1 優勝 中村 拓海

■各クラス優勝者
BC1男子 中村 拓海
BC1女子 遠藤 裕美
BC2男子 廣瀬 隆喜
BC2女子 伊藤 彩水
BC3男子 高橋 和樹
BC3女子 一戸 彩音
BC4男子 内田 峻介
BC4女子 岩井 まゆみ

大会情報(日本ボッチャ協会ホームページ)

        BC3男子 準優勝 有田正行