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4年ぶりの開催「JAPAN OPEN 2023」小田凱人が男子単複優勝・上地結衣が複優勝の活躍

2023.04.27

女子シングルス準優勝の上地結衣はダブルスで優勝

2023年4月18日~23日、福岡県飯塚市のいいづかスポーツ・リゾートテニスコート他で「JAPAN OPEN 2023」が開催された。
4月上旬に兵庫県神戸市で開催された「DUNLOP KOBE OPEN 2023」シングルスを制した世界ランキング2位の小田凱人と、上地結衣も今大会に出場した。

■更なる進化を求めて
女子シングルス第2シードの上地結衣は、3月に車いすを新しくしたばかり。新しい車いすは、練習でしっかりと調整をした上で大会で使用する選手が多いが、上地は、4月に新しい車いすで、DUNLOP KOBE OPEN、Seoul Openの2大会に臨んでいる。
上地は「毎日乗っている感覚が違う。『こんな球が打てるんだ』という良い意味でも悪い意味でも発見がある。慣れているというよりも、まだ自分のできることが半分もわかっていない状態。それを全部理解していくことが大事。難しいゲームもあるが、全部受け入れて、この車いすとどういうプレーが一緒にできるか、時間をかけて知っていきたい。『2週間で試合に出る人はいない』と言われているけれども、結果が思うようにいかないのも受け入れるつもりで挑戦したい。」と、難しい状況も前向きに捉えている。
上地は、シングルス決勝でライバルのディーデ・デフロート(オランダ)に6-0、6-4のストレート敗れ準優勝となったが、ダブルスでは、南アフリカのホタッツォ・モンジャネとのペアで優勝をした。

上地を破り女子シングルスを制したディーデ・デフロート (NED)

男子シングルスは、パラリンピックメダリストのステファン・ウデ(フランス)が今大会ワイルドカードでの出場となり、初戦に第2シードのヨーキム・ジェラード(ベルギー)と対戦。第3ゲームまでもつれる熱戦を制したのは、ワイルドカードで出場したウデ。勢いそのままに、2回戦、準々決勝を勝ち上がったウデを準決勝で破ったのが今大会好調の眞田卓。眞田は、ウデを2-1の逆転で破り決勝へと進んだ。決勝で眞田と対戦したのは、第1シードの小田凱人。第1セットは6-3で眞田が奪うが、第2セットは小田が1-6で奪い返す。最終セットは3-3から小田のペースとなり、最後は4-6で小田が眞田を振り切った。小田は、三木拓也とペアを組んだダブルスでもステファン・ウデ/眞田卓ペアに逆転勝利で優勝。今大会嬉しい2冠となった。

第1シードの小田凱人はシングルス・ダブルスで2冠を達成

四肢障害のクラス、クァードで、経験を積みながら力を伸ばしているのが、兵庫県の池田拓也。昨年から海外大会にも積極的に参戦。4月のDUNLOP KOBE OPENでは、クァードダブルスで2年連続入賞するなど、徐々に結果が出てきている。世界ランキング61位(3/27付)の池田は、昨年から JWTA次世代育成強化指定選手にも選出されている。
Q.強化指定選手に選出されて
池田「強化合宿では自分よりレベルの高い選手がいるので刺激になります。テニスは練習でできてもそれを試合で発揮するのは難しいのですが、結果が出てきているので、少し自信になっています。」
Q.ジャパンオープンの目標は
池田「スーパーシリーズと規模の大きな大会で世界トップ10の人たちが出場するので、トップ10の選手とあたるのが1つの目標。対戦したら1ゲームでも取るというのが目標でした。2回戦で世界ランキング3位のデヴィッド・ワグナー選手と対戦でき、結果は2ゲームしか取れませんでしたが、自分なりに実力は出せたと思います。」
Q. デヴィッド・ワグナー選手との試合を振り返って
池田「自分が押している場面もありましたがそこで押し切れなかったり、試合経験の少なさが出たと思います。神戸オープンに比べて、サーブがかなり自分の打ちたいところに打てたと思います。ワグナー選手と障害程度はほぼ一緒です。技術面の差がすごくあったと思います。そこを埋めるにはもっと経験を積まないといけないと思いました。」
Q.2023年の目標は
池田「世界ランキング30位以内に入って、クァードクラスが上位4名しか出場できない全日本選抜車いすテニスマスターズに出場したいと思っています。」

クァード次世代育成強化指定選手の池田拓也はシングルス2回戦で敗退も手ごたえを感じている

5月1日からは、ポルトガルでワールドチームカップが開催される。この大会には、JAPAN OPENで活躍した日本人選手たちが出場する。昨年のワールドチームカップでは、男子が3位、女子が優勝をしている。日本チームは、ワールドチームカップでも上位入賞を狙う。

■各クラス優勝者
〇メインシングルス
男子 小田凱人(JPN)
女子 ディーデ・デフロート (NED)
クァード ニールス・フィンク (NED)

〇メインダブルス
男子 小田凱人(JPN)、三木拓也(JPN)
女子 上地結衣(兵庫県)、ホタッツォ・モンジャネ(RSA)
クァード ニールス・フィンク(NED)、サム・シュローダー(NED)

大会公式ホームページ

ステファン・ウデ(FRA) は母国開催となる2024パリパラリンピックでも活躍が期待される