2023年8月5日～6日、兵庫県のグリーンアリーナ神戸で「皇后杯 第32回日本女子車いすバスケットボール選手権大会」が開催された。
この大会には全国から5チームが参加し、トーナメント方式で競技が行われた。注目チームは7連覇中のカクテル(近畿)。日本代表の主力が揃う常勝チームは今大会も優勝を狙う。


トーナメント1回戦は、東北のSCRATCHと関東のELFINが対戦。SCRATCHは、今年6月に行われた世界選手権に日本代表として出場した土田真由美、萩野真世を主戦力として上位進出を狙う。ゲーム前半はELFINがリードをするが、後半以降はどちらに流れが傾いてもおかしくない状況が続く。第4Qは両チーム得点を奪い合う白熱した展開となる。残り5分でSCRATCHが萩野の得点で35-35の同点に追いつくと、土田が追加点を奪う。40-39のSCRATCH 1点リードで、終了間際ELFINがゴールに迫るが、リングに嫌われ惜しくも逆転とはならなかった。終盤のチャンスをものにしたSCRATCHが1点差でELFINを破り、準決勝へと駒を進めた。
昨年準優勝のWing(関東)は、トーナメント1回戦で九州ドルフィン(九州)に83-18と大勝し、決勝戦へと進んだ。Wingに敗れた九州ドルフィンは、3位-5位決定トーナメントでもELFINに54-40で破れ、5位となった。


準決勝でSCRATCHと対戦するのは女王カクテル。SCRATCHは、ゲーム中盤までカクテルに食らいついていくが、後半はカクテルの攻撃力が勝り、53-35でカクテルが勝利した。敗れたSCRATCHは、ELFINとの3位決定戦へとまわった。

3位決定戦のELFINとSCRATCHの再戦は、劇的な幕切れとなった。トーナメント1回戦では、わずか1点差でSCRATCHが勝利したが、両者の力はほぼ互角。ゲーム序盤はSCRATCHがリードする展開が続いたが、SCRATCHが 8点リードで迎えた第4Qに、ELFINが怒涛の追い上げを見せる。残り5分で34-34の同点に追いつくと、残り1分でELFIN江口侑里の連続得点で逆転。ELFINはこのリードを守り切り、36-38でSCRATCHを破り3位入賞をもぎとった。

昨年と同じ顔合わせになったカクテル対Wingの決勝戦。第1Q序盤は、カクテルの厳しいディフェンスをWingがかいくぐって得点を奪い2-6とリード。カクテルは、何度もシュートチャンスを作るが、リングに嫌われる場面が目立つ。しかし、第1Q残り2分となったところでカクテルは網本麻里、北田千尋の連続得点で逆転。9-6のカクテルリードで第1Qを終える。第2Qに入りWingは速攻を多用し、14-12と2点差まで追い上げる。一時14-16とWingがリードしたが、カクテルは慌てることなくすぐに同点に追いつくと、第2Q終了間際に網本麻里が3ポイントを決め、25-20の5点差をつけて前半が終了した。
第3Qもカクテル優位の展開が続く。カクテルは交代で入った清水千浪、吉川美穂の活躍もあり、34-26のカクテル8点リードで第4Qに入る。8点を追いかけるWingは攻撃のスピードを上げるが、カクテルの攻撃力が上回り40-28とカクテルが更にリードを広げる。Wingは椎名香菜子を中心に最後まで攻め続けたものの力及ばず、52-42でカクテルがWingを破って史上初の8連覇を達成した。

■大会結果
優　勝　カクテル(近畿)
準優勝　Wing(関東)
3　 位　ELFIN(関東)
4　 位　SCRATCH(東北)
5　 位　九州ドルフィン(九州)

■オールスター5
クラス1　財満いずみ(SCRATCH)
クラス2　江口侑里(ELFIN)
クラス3　清水千浪(カクテル)
クラス4　土田真由美(SCRATCH)
MVP　　 網本麻里(カクテル)

大会結果「日本車いすバスケットボール連盟」