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シングルス初代女王は上地結衣、ダブルスは田中・船水ペアが優勝「木下グループジャパンオープン・車いすテニスチャンピオンシップス2023」

2023.09.19

シングルス優勝、ダブルス準優勝の上地結衣

2023年9月15日~17日、大阪府の靭テニスセンターで、「木下グループジャパンオープン・車いすテニスチャンピオンシップス2023」が開催された。この大会は、WTAの大会と同時開催ということもあり、初日から観客席には多くのテニスファンが集まった。
今大会には国内から8名の選手が出場。注目は、USオープンを終えたばかりの、上地結衣、田中愛美、船水梓緒里の3選手。来年のパリパラリンピック出場を見据える3選手は、年間を通して海外を転戦。日本国内で3選手のプレーを見る機会はあまりない。

ワイルドカードで出場の岡あずさは初戦で上地結衣を相手に健闘

大会初日、第1コートで行われた上地結衣の初戦は、ワイルドカードで出場権を得た若手の岡あずさ。「一回戦という意味では、グランドスラムよりも緊張したかもしれない。」という上地は、試合開始直後こそ動きに硬さが感じられたが、試合が進むにつれ本領を発揮。岡を6-0、6-0のストレートで破り、準決勝へと進んだ。
シングルス初対戦の岡について上地は「障害は軽い方ではないと思うが、体の使い方、ボールの合わせ方は、相手側として上手だなと感じた。ノータッチでエースを取られる場面もあった。序盤から気を引き締めないといけないと思った。」と印象を語った。
岡は「小さい頃から憧れの選手だったので、本戦で戦えて勉強になったし、大事なところでしっかり決められてしまって、プロのすごさを感じた。今回はワイルドカードでの出場ということで絶対に格上しかいないため、すぐに決めるという練習をしていた。自分なりの全力は出せたと思う。」と試合を振り返った。

上地は、準決勝で須田恵美を2-0のストレートで破り決勝へ進むと、決勝でも第2シードの田中愛美を寄せ付けず、6-1、6-2のストレートで勝利し、シングルス初代女王に輝いた。

上地は「生まれは兵庫だが、関西というくくりでは靭テニスセンターはなじみのある場所。拠点が大阪なので靭にも来る機会はある。この大会の開催が発表された時に、大阪で開催されるのは嬉しかったし、出場できる日程なのかどうか気になった。プレーがしたいと思った。靭はアクセスもしやすく、レベルの高い試合が見てもらえると思い、いろんな方にも見に来てと声をかけた。WTAと一緒に開催していただくことはありがたいこと。良いパフォーマンスを作り上げていくことで、来年も開催しようと言ってもらえると思う。選手たちみんなでレベルを上げていかないといけない。今後もぜひ継続していただきたいと思う。」と今大会への思いを語った。

シングルス準優勝の田中愛美はダブルスを制した

ダブルスは、第1シードの田中愛美・船水梓緒里ペアが準決勝で須田恵美・深山知美ペアに勝利すると、決勝戦で第2シードの上地結衣・佐々木千依ペアと対戦。田中・船水ペアは、高い集中力で得点を重ね、6-2、6-4で上地ペアに勝利した。

田中「決勝というのと、センターコートというのもあって、2人共ベストなプレーができたわけではないが、リードされていたところで、2人で集中力を上げることができ、ストレートで勝つことができた。」

船水「センターコートの舞台で、観客に見てもらってプレーすることはあまりなく、すごく緊張した。プレーは硬かったと思う。田中選手が終始笑顔で気持ちが救われた。」

田中愛美と共にダブルスを制した船水梓緒里

男子の車いすテニスチャンピオンシップスは、10月18日(水)~20日(金)の日程で、東京都の有明テニスの森公園で開催される。

■大会結果
シングルス 優 勝 上地結衣
      準優勝 田中愛美
ダブルス  優 勝 田中愛美、船水梓緒里
      準優勝 佐々木千依、上地結衣

■出場選手一覧 ※( )は2023年8月14日付世界ランキング
上地結衣(2)
田中愛美(7)
船水梓緒里(11)
佐々木千依(26)
須田恵美(75)
深山知美(117)
佐原春香(WC)
岡あずさ(WC)

大会公式ホームページ(木下グループジャパンオープン2023)

ダブルス準優勝の佐々木千依(左)・上地結衣(右)ペア