嘉納治五郎師範によって、1882年(明治15年)に「講道館柔道」が創始されて以来瞬く間に日本全国はもとより世界中に広まり多くの愛好家を生み出してきました。柔道は健常者と視覚障害者が、あまり工夫をせずに練習や試合ができることから、視覚障害者が健常者の中に混じって練習をしていたという古い歴史を持っています。
視覚障害者の柔道は、基本的に健常者の柔道とあまり変わらず、競技は障害の程度によって区分せず、体重別で行われています。一般の規定と異なる内容は次の3点です。
(1)試合は両者がお互いに組んでから主審が「はじめ」の宣告をする。
(2)試合中両者が離れたときは主審が「まて」を宣告し、試合開始位置に帰る。
(3)場外規程は基本的に適用しない。但し、故意に利用した場合には、障害の程度に関係なく適用されることがある。